少し前に企画してお届けしたWマテリアル、Wネームロードフレームが再入荷しました。
このフレームを企画した私山崎は、40年以上前からオーダーのクロモリフレームに乗り続けてきて、
その後、アルミにもチタンにも乗り、最近はもっぱらカーボンバイクに乗っていますが、
しっかり作られたクロモリフレームの乗り味は格別で、
今でも「ぞっこん」と言ってもいいと思っています。
でも、
カーボンに乗り慣れた身には、どうしてもその重量が気になって、
コースに坂があると、ついついおっくうになってカーボンを選んでしまいます。
そこで、
カーボンのメリットと、クロモリの良さを上手く軽くまとめることはできないか?と
話を持ちかけた先が「工房アカマツ」というわけです。
「工房アカマツ」の赤松省吾氏と私とは
サンツアー・マエダ工業の開発課時代に机を並べていた仲で、
昭和30年生まれの同級生なのです。
アバウトでひらめき頼りな私と対照的に、彼は几帳面でコツコツなのですが、
物事を解決する方法を見つけるのは、ある意味天才的で、
今も、
潰れてどうしようもない事案などを持ち込んでもものの見事に完璧に修復してくれます。
そんな彼と
あれこれ論議しながら、まとめ上げたのが
このカーボンクロモリコンポジットフレームなのです
●「フレームが硬い」と言ったとき良い意味と悪い意味があります。
「硬くて疲れる」・・・といったときには、縦方向に衝撃がダイレクトに伝わりすぎている
というネガティブな意味合いで、
「硬くてダッシュが効く」・・・と言うと、それはBB周りなどの横方向の剛性があり力が逃げない
というポジティブな意味合いです
そう、
フレームは縦方向と横方向を分けて考えると理解しやすいのです
このフレームでは、
BB付近に働く横方向のウイップに対しては高い剛性を誇っており、
しかも、
その剛性感はクロモリならではのしなりと反発感のあるものに仕上がっています。
、
一方、衝撃やいやな残存振動は、
ハブを起点に上方向、縦方向に伝動されます。
このフレームではそれらの部分に、
ハイグレードなカーボンパイプを配して、衝撃の吸収を図っています。
●クロモリのフロントフォーク単体を手で持ってゴムハンマーでたたくと「音さ」のように振動の共鳴が長く続くのですが、
カーボンではたちどころに収まってしまいます。
このようにカーボンは衝撃を素材内部に取り込んでしまう性格があるのです。
●BB周りなどの横方向の剛性を向上させてくれているのが
クロモリのダウンチューブとチェーンステーです
共に熱処理された「プレステージ」です。
最高の表面硬度を持っていて、
径2mmほどのドリル穴を開けるのにすら苦労するほどです。
ダウンチューブは径31.8で、高剛性にして軽量です。
反発力があり、乾いた加速感ももたらしてくれています。
●エンドはトムリッチーです。
●オーバーサイズのヘッドチューブは
普通、内径34、外径37のものです。
少し強度的にオーバースペックです。
そこで、
外径を.36まで削り、強度を確保したいヘッド圧入部に上のようなリングを溶接しています。
ここだけで、約50gの節約になっています。
●結果、フレーム全体では1.2kg台に収まっています。
これは
多くのフルカーボンフレームの実測値と大差ないレベルのフレーム重量です。
超軽量なものよりは300g程は重いですが、
ボトルの水半分くらいの重量差でクロモリフレームのしなやかで反発感のあるスピードの乗りを味わえるので大満足です。
ちなみに、フルクロモリバイクは普通は1.7kg位にはなってしまいます
●シートステーは「日本石油」製の軽量で衝撃吸収性に優れたウイッシュボーンタイプです。
クロモリパイプに組み合わせても美しい細めのモノステーはこれしか無いでしょう。
もう廃盤品ですので二度と手に入りません。文字通りのラスト1台です。
●今回の入荷は、トップ550mmの赤松ブルーで、これが最後の1台です。
●企画デザインからの参加ですから、silbestネームも小さくですが入れた
シルベストだけで販売できる・・・Wネームフレームにしてもらっています。
●実際に走ると、きびきびしていて、長時間走っていて疲れにくい、それでいて軽く、登坂にも強いバイクに仕上がっています
●フォークは、より衝撃吸収性の良いものをセレクトして用意いたします。
●価格はお問い合わせください。